何故、主人公青柳が犯人に仕立てられたのか?冒頭間もなく理解出来た。そこからは休む間無く走り続ける。警察は執拗に追いかけてくる。何故そこまで?と思う程にしつこい。
ゴールデンスランバーとは、ビートルズのポールがメンバー4人を繋げようと一人で書き上げた歌。この映画では、大学時代の仲間4人がゴールデンスランバーによって再び引き寄せられた。仲間というのは尊いもので、自分を助けてくれるモノであると証明した。それは大学時代の仲間だけではなく、職場の先輩や両親やかつてのバイト先、昔助けたアイドル、ウラ家業の人間や通り魔など。不思議なくらい、色々な人間と信頼関係が築かれ、助けてくれる。
伊坂作品は、分かりやすいハッピーエンドと言う作品では無いと思う。このゴールデンスランバーも例外ではなく、黒幕に勝つ事も出来ず有耶無耶の内に終わってしまう。これは逆転で勝つのが目的ではなく、仲間との関係を表現した作品だからなのだろう。この終わり方がスッキリしないという話を良く聞くが、コレで良いと思う。
伊東四朗、木内みどり、ベンガル、でんでん、ヒットマン長島、貫地谷しほり、宅配ドライバー先輩の渋川など、個性的で味のある俳優さんが多かった。父役の伊東四朗やキルオ役の濱田岳など、印象に残る配役が光った気がする。